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九州派

Kyushu-ha/Kyushu school
更新日
2024年03月11日

1957年、福岡を拠点に桜井孝身、オチ・オサム、菊畑茂久馬らを中心に結成された前衛美術集団。60年前後に全国で生まれた前衛グループの代表格として知られる。福岡における活動の一方、「読売アンデパンダン」展出品をはじめとしてメンバーの展示を東京で相次いで開催し、「地方」から「中央」に対する攻撃、挑発意識を強く持っていた。また中核メンバーの二科会への造反がグループ発足の背景にあり、公募団体および画壇の体制に対する反抗も活動を裏付けていた。56年に福岡に巡回した「世界・今日の美術」展からの影響を受けて初期はアンフォルメル絵画が主であったが、次第に反芸術的オブジェ、パフォーマンスへと展開。作品はコールタール、アスファルト、ムシロ、ドンゴロス(麻袋)といった労働者の生活臭と結びついた素材の使用で特徴付けられる。生活者のイメージは素材に限らずグループの活動全体を貫いており、リーダーを持たず労働組合的性格を備えていた点や、作家名を排した共同制作をしばしば発表した点も特徴的である(なお、58年の「第10回読売アンデパンダン」展に出品された共同作品は同展の出品拒否第1号とされる)。いずれも政治状況と無関係でない当時の前衛動向のなかでも九州派は他に比して政治色が強く、59年から翌年にかけて福岡の炭坑で起こった労働争議「三井三池争議」とも密接につながっている。58年まで機関誌『九州派』を6冊刊行。62年頃をピークとして、68年のグループ展を最後にほぼ解体した。

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補足情報

参考文献

「九州派」展カタログ,福岡市美術館,1988
『反芸術綺談』(新装版),菊畑茂久馬,海鳥社,2007
『駆け抜けた前衛 九州派とその時代』,田代俊一郎,花書院,1996
『I discover Jesus Christ is a woman 九州派 1956年から1987年までのヒーローたちの記録 および美術としての「裁判パホーマンス」』,桜井孝身,櫂歌書房,1987