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桑沢デザイン研究所

Kuwasawa Design School
更新日
2024年03月11日

ジャーナリストで服飾デザイナーの桑澤洋子によって、1954年4月に設立されたデザイン専門学校。ドイツの造形教育学校バウハウスをモデルに、当初はささやかな私塾として発足された。桑澤が10代の頃、建築家の川喜田煉七郎が主宰する新建築工芸学院でバウハウスの流れを汲む新しい造形教育を体験し、その影響を強く受けたことが発端である。桑澤の人脈から、第一線で活躍していたデザイナーの橋本徹郎、彫刻家の佐藤忠良、画家の朝倉摂らを教師陣に迎えた。同年6月にはバウハウス初代校長のヴァルター・グロピウスが来校。57年に学校法人となる。開校から半世紀以上が経ち、卒業生は2万人を超え、さまざまな領域におけるデザイナーを多く輩出した。2019年現在、第10代所長は浅葉克己。主な学科は昼間部3年制の総合デザイン科、夜間部2年制のデザイン専攻科、夜間1年制附帯教育の基礎造形専攻。「小手先の技ではなく、独創や応用力の源となる『デザインの原動力』を培う」ため、基礎から総合的に学び、実践を通じて専門的な技術を身につけていくカリキュラムとなっている。卒業生で結成された「桑沢デザイン研究所同窓会」では、デザインの発展に大きく貢献した人物や団体を讃える「桑沢賞」などの運営を行なっている。

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参考文献

『ふつうをつくる 暮らしのデザイナー 桑澤洋子の物語』,沢良子(学校法人桑沢学園監修),美術出版社,2018