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コルゲート・パイプ

Corrugated Pipe
更新日
2024年03月11日

波付けされた薄鋼板製のパイプ。コルゲート鋼板は波形と垂直方向の強度が増すため、軽量で強度が高いという特性をもち、また波形を重ねあわせて留めるだけで大きな面を構成できるなど、施工性にも優れた材料である。元来、土木用材料として使用されていたが、丹下健三の初期の設備パートナーであった設備設計家の川合健二が、自ら設計し、1965年末に完成した自邸で、世界で初めて建築材料として使用した。この楕円形のコルゲート・パイプでできた筒を大地に転がしただけのような《川井健二邸》は、さまざまな建築家に影響を与えた。なかでも川合を日本のバックミンスター・フラーであると崇拝する石山修武は、代表作である《幻庵》(1975)や《開拓者の家》(1986)でシリンダー状のコルゲート・パイプで包まれた建築を実現している。また、「自分の家は自分でつくり、あらゆる技術は自分の住処をつくるために編成されるべきだ」という川合の住居に対する哲学は、石山自らが開発したさまざまな建築部材を組み込んでつくり上げた《世田谷村》(2001)と、それを実現させた開放系技術と呼ばれるオープン・テクノロジーを使用した手法にまで多大なる影響を与えている。

著者

補足情報

参考文献

『川合健二マニュアル』,川合健二ほか,アセテート,2007
『住宅建築』2008年6月号,「共に自己表現する建築たち」,石山修武,建築資料研究社
『建築文化』1986年10月号,「開拓者の家 工業化時代のセルフビルド」,彰国社
『セルフビルド SELF-BUILD 自分で家を建てるということ』,石山修武、中里和人,交通新聞社,2008