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五月革命

Mai 68
更新日
2024年03月11日

第五共和制下フランスにおいて1968年5-6月にかけて学生を中心に発生した反体制運動。パリ大学ナンテール校での民主化運動に始まり、伝統的な文化、社会、政治に異議申立てをする社会変革闘争へと拡大した。当時、米国のヴェトナム反戦運動や西ドイツ、イタリアの学生運動が同時多発的に起こる状況のなか、5月3日にソルボンヌの中庭で行なわれた学生の大規模集会が警官隊により排除されたことをきっかけに双方が市街地で衝突し、学生はカルティエ・ラタンを占拠した。運動は地方大学にも波及し、各地で大学占拠や街頭闘争が行なわれた。当初は一部の学生による運動と見られたが、労働者を巻き込んだゼネストへと発展し、パリは交通が麻痺して「解放区」化した。最終的には当時のド・ゴール政権下で労働者の団結権、高等教育機関の民主化、学生による大学自治が認められた。文化面では60年代のメディアの発達と若者文化の隆盛をもたらし、J・P・サルトルやJ・ジュネのような作家や知識人もさまざまな反応を見せた。またG・ドゥボールが主導したシチュアシオニストが五月革命に理論的根拠を与えたことは重要である。付言すれば五月革命の労働運動の象徴的な場であったスガン島ルノー工場は長らく閉鎖されていたが、近年J・ヌーヴェル、M・デヴィーニュ、J・ケルサレによりビオパークとして生まれ変わり一般開放された。「環境」を旗印に都市変革へ向かう21世紀における社会変革運動の象徴的トポスとなることが期待されている。

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参考文献

『スペクタクルの社会』,ギー・ドゥボール(木下誠訳),ちくま学芸文庫,2003
『グローバル・ヒストリーとしての「1968年」:世界が揺れた転換点』,西田慎,梅崎透,ミネルヴァ書房,2012
Ile Seguin : Des Renault et des hommes,Jean-Louis Loubet,Alain Michel,Nicolas Hatzfeld,Editions Techniques pour l’Automobile et l’Industrie,2004
L’île Seguin,demain : Histoires,architectures,cultures,Anne-Sophie Coppin,Beaux Arts Editions,2009
『68年5月』,ローラン・ジョフラン(コリン・コバヤシ訳),インスクリプト,2015