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写真と民俗学

Photography and Folkloristics
更新日
2024年03月11日

写真と民俗学との関係としては、まず、民俗学者や民俗学の学術的目的で撮影された写真がある。この代表的な例は、宮本常一が残した写真群であろう。また、民俗学に寄与することを目的として撮影された写真もあり、芳賀日出男らがその代表例である。さらに、自身も民俗学者を兼ねる写真家もおり、これには、東京や東北の市井の人々や民間信仰、祭などを撮影する内藤正敏や、沖縄の民俗祭祀を撮影した比嘉康雄といった例が挙げられる。さらに、民俗学的な想像力に基づいていることが明白な写真としては、濱谷浩の『裏日本』や、土田ヒロミの『俗神』なども挙げられるであろう。いずれにせよ、近代化の進展とともに消え去り、無形の被写体を写真にとどめるという欲望において、これらの写真は通底していると言える。

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参考文献

『宮本常一写真・日記集成』,毎日新聞社,2005
『婆 東北の民間信仰 内藤正敏写真集』,内藤正敏,朝日ソノラマ,1979
『母たちの神 比嘉康雄写真集』,比嘉康雄,出版舎Mugen,2010
『裏日本 浜谷浩写真集』,浜谷浩,新潮社,1957
『俗神』,土田ヒロミ,冬青社,2004