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白物家電

Domestic Appliance(White Goods)
更新日
2024年03月11日

一般の生活で用いられる家庭用電化製品の総称。生活家電とも言う。日本で普及し始めた高度経済成長期に白い塗装の製品が多かったことから一般的にこのように呼ばれる。日本の一般家庭に白物家電が普及し始めたのは1950年代であった。大宅壮一は1953年を「電化元年」と名付けている。神武景気の好況を契機に家事労働の電化が進み、56年頃には、白黒TV、洗濯機、冷蔵庫は「三種の神器」と呼ばれ、豊かな生活の象徴として人々の憧れの対象になった。TVの国産第1号が試作されたのが51年、放送開始は53年であり、59年の皇太子ご成婚によって普及に拍車がかかった。それと並行して51年には松下電工が、53年には三洋電機が洗濯機の生産を始める。53年には松下電工が、57年に三洋電機が冷蔵庫の生産を始める。当初の冷蔵庫や洗濯機は白い塗装のものが多く、清潔感のある近代的なイメージを家庭内に演出した。60年代半ばのいざなぎ景気の時代には、カラーTV、クーラー、自動車のいわゆる3Cが「新三種の神器」と呼ばれるようになった。2000年代に入って、時代はデジタルカメラ、DVDレコーダー、薄型TVの「デジタル三種の神器」へ。その後も、組み合わせの推移は加速している。家事用途中心の白物家電に対して、特に娯楽用途の家電(AV機器など)を黒物家電と呼ぶこともある。

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補足情報

参考文献

『白物家電全方位解剖』,GetNavi編,学習研究社,2008
『日本人の暮らし 20世紀生活博物館』,柏木博、小林忠雄、鈴木一義編,講談社,2000