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テレプレゼンス

Telepresence
更新日
2024年03月11日

「遠隔(tele)」と「現前(presence)」を組み合わせた造語であり、遠く隔たった時間や場所に存在するはずのものが、あたかもそこに現前しているかのような感覚のこと。ひいては、遠隔地の映像や音声を即時的に伝える「テレビ(tele-vision)」や「電話(tele-phone)」のように、そうした感覚をもたらす情報通信技術を指すこともある。その定義を広くとれば、写真、映画、ラジオなどもそうした「テレプレゼンス」技術に含まれるが、現在あえてこの言葉が用いられるとき、そこで想定されているのは近年の高度な通信技術によって可能になる「テレプレゼンス」感覚だと言えるだろう(例えばインターネット回線を用いたヴィデオ会議など)。美術においてこの言葉ともっとも深く結びついているのは、いわゆるメディア・アートと呼ばれる分野である。このトピックを扱った代表的な展覧会としては、1998年にNTTインターコミュニケーションセンター(ICC)で開催された「移動する聖地──テレプレゼンス・ワールド」展がある。アート+コム、ビル・シーマン+ギデオン・メイ、チェベ・ファン・タイエン+F・ハーレス、港千尋+森脇裕之が参加した同展では、上記のような科学技術のみならず、神話やシャーマニズムにおける「テレプレゼンス」感覚をも含めた広範な問題系が提示された。

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参考文献

『移動する聖地 テレプレゼンス・ワールド』,伊藤俊治、港千尋監修,NTT出版,1999