Artwords®

ニュー・ドキュメンタリー

New Documentary
更新日
2024年03月11日

1967年にニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催された「ニュー・ドキュメンツ」展に参加した3人の作家たち(ダイアン・アーバス、リー・フリードランダー、ゲイリー・ウィノグランド)の作品に代表される、60年代以降の新しいドキュメンタリー写真に対する総称。同展に先立つ66年に、ジョージ・イーストマン・ハウス国際写真美術館で開催された「コンテンポラリー・フォトグラファーズ」シリーズの第1回展、「社会的風景へ向って」に参加した写真家たちも、この流れの一翼を担う存在であると言える。日本においては、「社会的風景へ向って」に対応する潮流である「コンポラ写真」が、やはり新たなドキュメンタリーのスタイルとして期待されたほか、カメラ雑誌上で「ニュー・ドキュメンタリー」という呼称を与えられたのは、秋山亮二、土田ヒロミ、須田一政などの作品であった。また、2011年に金沢と東京を巡回して開催されたホンマタカシの写真展にも「ニュー・ドキュメンタリー」というタイトルが用いられており、撮影者の捉えた現実をストレートに表現するものとしてのドキュメンタリーという考え方を、意図的に裏切るアプローチがなされた。

補足情報

参考文献

Contemporary Photographers: Toward a Social Landscape,Nathan Lyons,Horizon Press,1966
『アサヒカメラ』1978年1月号,特集=ニュードキュメンタリーの旗手たち,朝日新聞社
『ホンマタカシ ニュー・ドキュメンタリー』,朝日新聞社,2011