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ニュー・ミュージアム

New Museum of Contemporary Art
更新日
2024年03月11日

1977年、「新しいアート、新しいアイディア」をコンセプトに、後にホイットニー美術館のキュレーターとなるマーシャ・タッカーにより、ニューヨーク市トライベッカ地区に創設された現代美術を専門に扱う美術館。「私たちは、まだ社会の認知を得ていなかったり容認を得ていないアートを、批評的で学問的な文脈で提示する」というタッカーの声明どおり、比較的無名な若手作家の作品や実験的な展示を積極的に行なっており、80年代にキース・ヘリングやリチャード・プリンス、ジェフ・クーンズ、オラファー・エリアソンなどを取り上げたことでも知られる。2005年にバウリー地区に移転したが、新しい建物は SANAA(妹島和世+西沢立衛)とゲンスラー・アンド・アソシエイツが設計。大きさが異なる6個の白いブロックをずらして積み上げたような意表を突く構造となっており、ずれの部分をトップライトやテラスに利用しているのが特徴だ。メッシュ状のアルミで覆われた外壁やコンクリートや鉄筋を露わにした内部空間をもつ地上7階・地下1階建の建物には、2-4階を占める展示室のほか、シアターやミュージアム・ショップ、カフェなどが備えられ、週末に開放される7階のスカイルームのテラスからはマンハッタンの街並みが一望できる。11年10月に開催されたカールステン・ヘラーの個展「Carsten Höller: Experience」では、作品のひとつとして4階から2階までを貫く全長約31メートルのチューブ状の滑り台が設置され、来場者に使用させたことでも話題となった。

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