ホーブディング
- Hovding
- 更新日
- 2024年03月11日
自転車専用のエアバッグ。自転車事故の急増が社会問題化していたスウェーデンで、工業デザインを専攻していた2人の大学院生、アンナ・ハウプトとテレーヌ・アルスティンの2人の修士修了研究を通じて開発された。平時はマフラーのような形状だが、強い衝撃を感知するとわずか0.1秒でエアバッグが開き、頭部全体を保護する。耐久性の強いナイロン素材でつくられており、またその衝撃吸収力は一般的なヘルメットの3倍に達するとされる。首に巻き付けて装着するが、軽量のため首や肩にはほとんど負担がかからないという。開発段階では何度もクラッシュテストを行ない、事故時の挙動を徹底的に分析したため、振動を感知するコンピュータ制御のブラックボックスが誤作動する確率は低い。ただし、いまのところ用途は通常のロードサイクリングに限定されており、オフロードやタンデム車での使用には適さないほか、一度エアバッグが開いたら再利用できないなど、今後の改善の余地も残されている。ヨーロッパではすでに安全規格であるCE認証を取得しており、2013年秋には日本での発売が開始された。