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リサイクル

Recycle
更新日
2024年03月11日

再循環の意。サスティナブル(持続可能)な社会を目指す取り組みは、天然資源の消費を抑え、地球環境に対する負荷を減らす最初のステップ「3R」の推進に始まった。「3R」はリデュース(削減)・リユース(再使用)・リサイクル(再資源化)の三つの言葉の頭文字から来ており、このうち「リサイクル」は、製品として完成され、その一生を終えたモノを、再び原料の次元に戻し、そこから新たな製品を産み出すという循環型の再利用を意味している。近代以前から、ものづくりの素材として多用されてきた金属、ガラス、紙などは、リサイクルが容易だが、工業化社会のなかで完全に人為的に発明されたプラスティック(合成樹脂)は、メカニカル・リサイクル(再生利用)、ケミカル・リサイクル(原料化)、エネルギー・リカヴァリー(燃料化)の研究に時間を要した。特にミッド・センチュリーに登場した「土に帰らない・燃やすと有害」なタイプのプラスティック製品(「パントンチェア」や新幹線のビュッフェやホームに使われた椅子など)は、半世紀後になって、デザインの世界でも大きな問題となり、生産終了や回収、オリジナルとは異なる質感の素材への切り替えを余儀なくされた。

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