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リヴィジョニズム

Revisonism
更新日
2024年03月11日

時代によって異なる価値観や社会を再解釈することで、あるいは新しく発見された史料によって、出来事や作品を評価し直そうとすること。「歴史修正主義」「改訂主義」などともいう。歴史学において、20世紀初頭に起こった動きのひとつで、歴史解釈の定説に異論・批判などを行なう。好意的に使われることもあるが、否定的なニュアンスをもつことも多い。同じように、美術史学においてもリヴィジョニズムは起こっており、例えば印象派の隆盛によって、これまで美術史のなかで取り上げられることのなかった同時代のアカデミー派やフランス以外の国の画家の活動・作品について、近年になって再評価する動きなどがその一例である。また、ヨーロッパやアメリカを中心にして考えられていた美術史において、アフリカやオセアニア地域の美術に目を向けることも、リヴィジョニズムの一種といえよう。つまり、美術史のメインストリームとして語られてきた作品や美術運動だけに焦点を当てるのではなく、同時代に起こった、異なる動きや周辺的と考えられてきた地域の作品・作家の活動にもスポットを当てることで、より多様で、異なった切り口での美術史や新たな動きを考察することができるだろう。ただしこうした動きが過度に加速すると、かえって偏った美術史を作り出してしまうことも危惧される。

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補足情報

参考文献

,ART; Taking Art History to New Heights of Revisionism,The New York Times,February 27 2000,D. Dominick Lombardi