ワシントン・ナショナル・ギャラリー
- National Gallery of Art (Washington D. C.)
- 更新日
- 2024年03月11日
米国ワシントンD.C.にある国立美術館。連邦政府の国務長官、財務長官を含む理事会による独立運営、理事会に指名された館長と5人の役員が日常的な運営業務を行なう。1937年開館。20年代に米国財務長官を務めた銀行家・実業家・慈善家アンドリュー・メロンは国立美術館設立構想をたて20年代末から私財を投じて13-19世紀までの西欧美術の発展をたどる絵画、彫刻の作品蒐集を行なった。メロンの呼びかけに応じ、チェスター・デイルが印象派やマティス、ピカソを含むコレクションを長期貸与したのをはじめ、サミュエル・クレス、レッシング・ローゼンウォルド、ジョセフ・ワイドナーらが作品寄贈を行なった。37年に米国連邦政府は美術館建設とコレクション受入を承認。トーマス・ジェファーソン記念館の設計者ジョン・ラッセル・ポープによる新古典主義様式の美術館がF・ルーズヴェルト政権下の41年にオープンした。30を越える部屋に中世から19世紀末にかけてのイタリア、ドイツ、オランダ、フランスの絵画を中心に、彫刻、家具、装飾、タペストリー、工芸品、また20世紀以前のアメリカ人アーティストの作品などを所蔵。19世紀以来アメリカ人がヨーロッパを旅行し美術作品蒐集に熱狂した証左となると同時に、アメリカ美術をルネサンス以来のヨーロッパ美術の直系と位置づける美術史観が構築されている。コレクション展示はもとより巡回展も積極的に行なう。78年にオープンしたI・M・ペイ設計の東館は20世紀の絵画、彫刻コレクションを収蔵し企画展会場としても利用されている。また1999年にはランドスケープアーキテクトのL・オリンが設計した約6エーカーの彫刻展示用の屋外ギャラリーがオープンした。
補足情報
参考文献
「ワシントン・ナショナル・ギャラリー」展カタログ,日本テレビ放送網,2011
National Gallery of Art (Second Edition),Earl A. Powell (Foreword),Thames & Hudson,2006
A Standard of Excellence: Andrew W. Mellon Founds the National Gallery of Art at Washington (Smithsonian publication no. 4825),David E. Finley,Smithsonian Institution Press,1975
Mellon: An American Life,Mellon: An American Life,Knopf,2006