ワークショップ
- workshop
- 更新日
- 2024年03月11日
もとは仕事場、作業場、工房の意。何らかの活動実践にあたり、専門家と非専門家が協働して計画を進める方法。専門的な用語としては、1950年代のアメリカにおいて、環境デザイン・都市計画家のL・ハルプリンとその妻である舞踏家A・ハルプリンが方法論としてこの語を使ったのがはじまりとされる。専門家(講師)の設計による基礎的な制作過程(スコア)に沿って、非・専門家(参加者)と専門家とが各自の自主性を尊重しながらディスカッションを重ねて結果を導き出すという一連のグループワークが基本となる。狭義には博物館や美術館の教育普及において行なわれる制作を伴なう活動を指す用語として使われることが多い。かつて「実技講座」などと呼ばれた技術や実技の伝達、講習も含まれるが、必ずしも作品制作には限定されず、作品鑑賞など、対人的なやり取りを通じた能動的な創造体験を促す活動全般をさす。国内では1981年に独立した教育普及部門を備えて開館した宮城県立美術館がいち早く取り入れ、92年に東京と横浜で開催された教育普及の国際シンポジウムを機に、「ギャラリートーク」「ワークシート」「セルフガイド」などのテクニカルタームとともに美術館界に浸透した。個人のバックグラウンドや意志、視点を重視して同じ場に居合わせた人々が対等な関係のもとに双方向的に刺激を与え合うプログラムとして、美術に限らず医療、音楽、演劇、舞踏、建築、デザインなど多様なジャンルで行なわれている。
補足情報
参考文献
『芸術の設計 見る/作ることのアプリケーション』,岡崎乾二郎,フィルムアート社,2007