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SDGs/持続可能な開発目標 

SDGs/Sustainable Development Goals
更新日
2024年03月11日

SDGs(Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)は、2001年に策定されたMDGs(Millennium Development Goals/ミレニアム開発目標)の後継として15年9月の国連サミットで採択された国際目標である。MDGsは、極度の貧困と飢餓の撲滅など、15年までに達成すべき8つの目標を掲げ一定の成果を上げたが、SDGsではMDGsの残された課題と新たに顕在化した課題に対応し、17ゴール・169ターゲットからなる持続可能な開発目標が掲げられている。MDGsが発展途上国向けの開発目標であったのに対して、SDGsは持続可能な社会を目指して先進国を含むすべての国が各国の現実、能力および発展段階の違いを考慮に入れ、かつ各国の政策および優先度を尊重しつつ、すべての国に受け入れられ、すべての国に適用されるものであり、「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現を目標とする。
SDGsの策定を受けて、デザイン分野での貢献も検討されている。その方法のひとつはモノのデザイン、システムのデザインによって持続可能な社会の実現を目指すいわゆる「サステナブルデザイン」で、もうひとつは目標をクリアするための課題の発見と解決を「デザイン思考」によって行なおうというものだ。他方で持続可能性という課題が地球上の限られた資源の循環を前提とする限り、世界経済における富の偏在と地域格差が固定化されてしまう可能性がある。途上国を発展させつつ持続可能な社会を実現させるためには、豊かな国々と貧しい国々とでパイを正しく分け合わなければならず、そのためには大量生産・大量消費社会というシステムで発展してきた先進国の人々の所有・消費の価値観のリ・デザインが必要であるという指摘もなされている。

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補足情報

参考文献

『サステナブルデザインガイドブック』,富士通株式会社総合デザインセンター,2006
『エコデザイン』,浅井治彦、益田文和編,東京大学出版会,2010
『なぜ豊かな国と貧しい国が生まれたのか』,ロバート・C・アレン(グローバル経済史研究会訳),NTT出版,2012