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2012年02月15日号のバックナンバー
フォーカス
美術/でないものへの目線と言葉──「石子順造的世界──美術発・マンガ経由・キッチュ行」展
[2012年02月15日号(都築響一/成相肇)]
1970年代、「低級芸術」「まがいもの」「悪趣味」「低俗なもの」として冷ややかに見られていた、銭湯のペンキ絵やマッチのラベル、あるいは「路上のガラクタの類」などを批評の対象として、独自の「キッチュ論」を展開した石子順造の世界が、府中美術館で開催中。石子順造の「キッチュ」およびその世界について、都築響一氏と、同展のキュレーター成相肇氏に語っていただいた。
キュレーターズノート
糸の先へ/魅せられて、インド。/菊畑茂久馬氏「第53回毎日芸術賞」受賞ほか
[2012年02月15日号(山口洋三)]
どんな展覧会を「良い」というのだろうか。たんに優れた名品が出品されていることだけではそうは思えない。企画者がよく調査をしているとか、それも大事だけどそれだけではない。私の基準はなにかとしばし考えてみたところ、それは、それは自分の価値観とか世界観が揺らぐ「意外性」があること。そして美術館・博物館においてそれが企画開催されている場合は、その館の活動方針の根幹についてラジカルに問いかけていること。本稿締め切り間際に観覧した二つの展覧会はまさにそうしたものだった。