バックナンバー
2016年03月15日号のバックナンバー
フォーカス
デリケートな協働──3.11を契機として制作された映画・映像の、その後
[2016年03月15日号(阪本裕文)]
私は2014年に、「映像の交換性──3.11を契機として制作された映画・映像について」と題した文章をここに寄せて、「震災以後の映画・映像は、作品を作品として完結させることよりも、さまざまな行為や出来事を媒介する方向──言い換えるならばアーカイブ的な方向においてこそ開かれていると言えるだろう」と結んだ。そして震災から5年目をむかえる2016年。原発事故などなかったかのように再稼働は進められ、丸山眞男が「無責任の体系」と呼んだものは、今なおこの社会に根深く存在しているようにみえる。このような状況の推移のなかで、その後、映像表現の変化はどのように表われたのだろうか。今回、私は3.11を契機として制作された映画・映像のその後について、思うところを論じてみたいと思う。
キュレーターズノート
「アーツ・チャレンジ2016」「ふじのくに⇄せかい演劇祭2016」
[2016年03月15日号(角奈緒子)]
毎度のことながら今年も年度末を迎え、世の中はいよいよ新年度に向けて動き始めている。美術界では、瀬戸内国際芸術祭、あいちトリエンナーレ、KENPOKU ART 2016、さいたまトリエンナーレと、国内外からアーティストを招聘する大型の国際展が目白押しとなる2016年度は、現代美術ファンにとって忙しい年となりそうだ。
Rhizomatiks Research×ELEVENPLAY「border」
[2016年03月15日号(阿部一直)]
2011年の《particles(パーティクルズ)》、2013年の《pulse(パルス)3.0》に続き、フランチャイズ的な存在となっている真鍋大度、石橋素によるRhizomatiksの山口情報芸術センター[YCAM]での滞在制作/公開シリーズが始まっている。
トピックス
3Dデジタル技術で体感する地球儀・天球儀の世界
[2016年03月15日号(高橋裕行)]
「BnF × DNP ミュージアムラボ Globes in Motion フランス国立図書館 体感する地球儀・天球儀展」が、DNP五反田ビル(東京都品川区DNP五反田ビル1F)で開催されている。本展では、大日本印刷株式会社(DNP)とフランス国立図書館(BnF)が共同でBnFの地球儀・天球儀コレクションの3Dデジタル化に取り組んだプロジェクト(「地球儀・天球儀3Dデジタル化プロジェクト」)の成果を実物の地球儀、天球儀とともに体感できるものとなっている。
17世紀オランダの画家ヨハネス・フェルメール(1632-1675)の名作《地理学者》と《天文学者》に描かれた対作品《ホンディウスの地球儀・天球儀》を含む地球儀・天球儀10点と関連作品1点が前期と後期に分かれて展示され、3Dデジタルデータを活用した体感型鑑賞システムとともに楽しむことができる。