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2016年07月15日号のバックナンバー

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小さくとも確実な一歩:ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館

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[2016年07月15日号(鷲田めるろ)]

 第15回ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展が開催されている。企画展示部門はアレハンドロ・アラヴェナの総合ディレクションのもと「Reporting from the front(前線からの報告)」というテーマで実施されているが、国別参加部門はそのテーマに縛られるものではない。日本館は、山名善之がキュレーションし、「en[縁]:アート・オブ・ネクサス」をテーマに12組を紹介した。開幕よりすでに1カ月半が経過し、日本館が60を超える参加国のなかで、最高賞の金獅子賞に次ぐ特別表彰(Special Mention)を受賞したこともあって、日本の各メディアでもすでに報道されている。ここでは、建築展をつくるキュレーターとして、また、来年の第57回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展日本館のキュレーターの視点から、今回の日本館について論じたい。

キュレーターズノート

植松永次展「兎のみた空」、亡霊──捉えられない何か Beyond the tangible

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[2016年07月15日号(中井康之)]

 近年、日本の戦後美術を検証するような展覧会が海外において開かれることが多くなってきた。具体的には2012年2月から同年4月にロサンゼルスのブラム&ポー画廊で開催された「太陽へのレクイエム:もの派の芸術」展、同年11月から2013年2月まで、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催された「東京1955-1970 新しい前衛」展、また、それに重なるように2013年2月から5月に同じニューヨークのソロモン・R・グッゲンハイム美術館で開催された「具体:素晴らしい遊び場所」展などを取り上げることができるだろう。

熊本地震後レポート──「かえってきた!魔法の美術館」

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[2016年07月15日号(坂本顕子)]

「4月末を目途に企画展を再オープンさせる見通し」と書いた連載原稿★1 を送信し、日付が変わった4月16日の深夜1時25分、再び熊本を震度7の地震(本震)が襲った。前震を大きく上回る長く激しい揺れは、その後の美術館活動を一変させるものであった。

「奥村雄樹による高橋尚愛」、「表現の森 協働としてのアート」

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[2016年07月15日号(住友文彦)]

 一見奇をてらった印象を覚える展覧会かもしれない。「奥村雄樹による髙橋尚愛」展は比較的見慣れた並置された2つの個展ではない。高橋尚愛というヨーロッパとアメリカを拠点に活動し続けたアーティストの作品を、奥村雄樹が自分の個展として展示しているといえばよいのか。奥村がアーティストなのかキュレーターなのかを問うのも可能だが、それもおそらくさしたる問題ではないだろう。もしかしたら翻訳家としての彼を知る者はなるほどと納得するかもしれない。あるいは昨今多い近過去に言及する動向として片付けてしまう者もいるかもしれない。はたして、奥村はこの展覧会を彼の「個展歴」に記載するのだろうか。どうしても仕事柄、気にしてしまうのだが、そんなプロフィールへの登録方法についてもおそらく瑣末な問題にすぎない。この展覧会をめぐっては、それよりももっと多くのことを考え、語ることが可能である。

アート・アーカイブ探求

三岸好太郎《海と射光》──虚ろな詩情「速水 豊」

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[2016年07月15日号(影山幸一)]

artscapeレビュー

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