バックナンバー
2018年11月15日号のバックナンバー
フォーカス
毛利悠子 しなやかなレボリューション
[2018年11月15日号(荒木夏実)]
10月27日(土)、毛利悠子の個展「ただし抵抗はあるものとする」が十和田市現代美術館で始まった。2015年の日産アートアワードグランプリ受賞以降、芸術選奨文部科学大臣新人賞の受賞(2017)、コチ=ムジリス・ビエンナーレ 2016(インド)およびリヨン・ビエンナーレ2017(フランス)、パリやニュージーランドでのグループショーへの招待、ロンドンでの個展開催、そして来たる11月24日から始まるオーストラリアのアジア・パシフィック・トリエンナーレへの参加など、国際的アートシーンでの快進撃が続く毛利。それゆえに今回が日本国内の美術館での初個展と聞いて意外な気がした。
キュレーターズノート
「災害+クリエイティブ」のニューヨーク パーソンズ美術大学での実践
[2018年11月15日号(永田宏和)]
デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)では、「+(プラス)クリエイティブ」という言葉を掲げ、クリエイティブの力による社会課題解決に向けたさまざまな取り組みを行なっている。2013年にKIITOで開催した「EARTH MANUAL PROJECT展」
現在、同展はニューヨークのパーソンズ美術大学(Parsons School of Design)において、「EARTH MANUAL PROJECT-This Could Save Your Life」として開催されている(2018年12月12日まで)。
本稿では、筆者が理事長を務めるNPO法人プラス・アーツと副センター長を務めるデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)の両団体が同展開催に向けて、国際交流基金アジアセンターおよびアメリカ国内のみならず世界でも屈指のアート・デザイン系の教育機関であるパーソンズ美術大学と2年以上にわたって共同で取り組んだ複合的なプロジェクトを中心に、ニューヨークでの展覧会開催に至る経緯、展示会場構成についての考え方、そして「災害+クリエイティブ」という考え方の普及活動について紹介する。
トピックス
メディアから考えるアートの残し方
第1回 エキソニモインタビュー
[2018年11月15日号(赤岩やえ/千房けん輔/水野勝仁)]
美術館ではコンサバターやレジストラーといった専門家が、貴重なアート作品の保存や修復、管理を担っています。しかし、モノとして保存することが難しい作品の場合、どのように未来に伝え、残すことができるのでしょうか。近年、メディアの特性を活かした作品の再制作や再演といった試みも行なわれています。作品の記録や保存のあり方をめぐって、メディアの視点からアートの保存、そして「作品」というあり方を捉え直す企画を連載します(全3回)。
連載初回は、数々のメディアアートを世に問うてきたアートユニット、エキソニモへのインタビュー。彼らがゲストキュレーターを務めた「メディアアートの輪廻転生」展(山口情報芸術センター[YCAM]、2018年7〜10月)を振り返りながら、水野勝仁氏(インターフェイス研究)とともに、メディアアートの保存のあり方を議論します。