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2018年12月15日号のバックナンバー
フォーカス
【上海】第12回上海ビエンナーレ
[2018年12月15日号(鷲田めるろ)]
開催中の第12回上海ビエンナーレを見た。会場は国営の「上海当代芸術博物館」(PSA)。黄浦江西岸にある旧発電所の建物を改修した美術館である。このエリアは2010年に行なわれた上海万博の会場で、PSAも万博のパビリオンのひとつであった。近くには現在も万博当時のパビリオンが残っており、そちらは訪れた際はフェンスで囲われ工事中であった。
キュレーターズノート
「芸術作品」について
[2018年12月15日号(中井康之)]
「芸術」あるいは「芸術作品」についての定義付けは、さまざまにあると思うが、ひとつの考え方として、視覚や聴覚といった知覚器官を通じて人が快い(また時には不快であるという認識も含め)と意識する、ある表現媒体や行為などを総称するもの、と定義することが可能だろう。
地域の美術資料をいかに引き継ぐか──福島市近郊の美術館
[2018年12月15日号(伊藤匡)]
東北のなかで、福島県は美術館の数が多い方である。その理由を考えてみると、まず県の面積が広いこと。地理的に会津、中通り、浜通りの三方部に分かれていること。人口が一都市に集中していないこと。歴史的にみても、江戸時代には多くの藩が分立し、県域全体が統一されたことはないこと。それらの結果、各地域、各市町村の自立性が比較的高いことが上げられる。
県立の美術館が所在する福島市の近隣にも、独自の活動を続けている美術館がある。今回はそのなかで二つの美術館の活動を紹介する。
二藤建人「ヘルニア」(第1部「労働のエステティクス」、第2部「自由な落下のために」)/あいちトリエンナーレ2019
[2018年12月15日号(能勢陽子)]
一般企業で働き、家族を養いながらアーティスト活動を続け、今年脱サラした二藤建人(1986年生まれ)。彼の個展「ヘルニア」の第1部が東京で開催されたのち、第2部は名古屋に場所を移して開催されている。豊田市美術館の学芸員であり、あいちトリエンナーレ2019のキュレーターも務める能勢陽子が、本展を通し、生活における芸術と労働の関わりと、作家の抱える逡巡について考察する。(編集部)