バックナンバー
2020年10月15日号のバックナンバー
フォーカス
「劇場」のゆくえ──コロナ禍に演劇を考える
[2020年10月15日号(山﨑健太)]
新型コロナウイルスの影響で多くの劇場や稽古場が使用不能になり、演劇のつくり手の多くは自らの創作について考え直さざるを得ない状況に置かれた。それはつまり、多くのつくり手が(あるいは自明としてきた)演劇について改めて考えることになったということだ。コロナ禍に限らず「演劇の危機」に演劇を考えることのひとつの意味はそうして演劇を問い直すことそれ自体にある。そこにはまた新たな演劇の、あるいは演劇とは呼ばれないかもしれない何かの可能性があるからだ。
キュレーターズノート
東日本大震災復興祈念公園は誰のためのものか?
[2020年10月15日号(山内宏泰)]
東日本大震災において甚大な被害を受けた岩手、宮城、福島の3県には国費によって国営震災復興祈念公園が整備されている。また、被災した各市町村にも小規模な復興祈念公園が整備されつつある。
本稿では他市町村の復興祈念公園とは一線を画する気仙沼市復興祈念公園の独特な設置理念、場所性などをレポートする。比較対象として、岩手県陸前高田市ですでにオープンしている高田松原津波復興祈念公園と、私の生まれ故郷、宮城県石巻市に整備が進められている石巻南浜津波復興祈念公園並びに、私が展示監修アドバイザーを務めている同公園中核的施設について若干のレポートをさせていただく。