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2023年03月01日号のバックナンバー

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フォーカス

【インド・コーチン】南アジアのアートハブ、コチ=ムジリス・ビエンナーレ10周年目の波乱

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[2023年03月01日号(黒岩朋子)]

2012年から南インドのケーララ州コーチン(コチ)で始まったコチ=ムジリス・ビエンナーレは、アーティスト主導のもと、大航海時代の古びた港町を現代美術の祭典の地に変貌させ、類を見ない大型の国際芸術展へと成長を遂げた。その成功は国内の若手、無名作家にも活躍の場を与え、他州と南アジア全体に数々の国際展が生まれる契機となった。カルティエ財団現代美術館館長クリス・デルコンから「未来の美術館の見取り図」、故オクウィ・エンヴェゾーには「世界のキュレーターやアーティストが目指す地」と評された国際展。だが、更なる成長を遂げようとしていた矢先に思わぬ波乱が待っていた。コロナ禍で2020年、21年と2度延期を重ねて始まった第5回展の様子をレポートする。

キュレーターズノート

未来を放棄しないために、予め祝う12年目の春

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[2023年03月01日号(清水チナツ)]

東北に暮らす者にとって、とりわけ3月は意味深い。それはいうまでもなく2011年の東日本大震災の記憶と結びついているからだ。あの日から間もなく12年が経過しようとしているが、あの災厄を語るとき、これまでの生活に変更を迫られるような経験であったと口にする人は少なくない。筆者も毎年3月が来るたびに、自問自答する。あの日から、わたしはすこしでもマシな生を営めてきただろうか、と。そのような視点に立つとき、自身の企画と、工場や街路でのアーティストらの実践が交わる瞬間があった。今回は、彼らとそんな経験を共有した3日間を振り返りたい。

artscapeレビュー

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