バックナンバー
2014年03月01日号のバックナンバー
フォーカス
インドネシアの若手建築家AbodayのFLIRT(ゆうわく)
[2014年03月01日号(本間久美子)]
2013年11月末、インドネシア国立博物館の中庭がにわかに変容した。
ここはもともと、オランダ植民地時代の古典的な西洋建築で、中庭をめぐる廊下には、ヒンドゥ教のガネーシャ像や仏像、その他の古い石像がただ乱雑に並べられた空間だった。まったく変わらぬ展示物が、いつでも同じ埃っぽさで客を迎える。1868年設立、24万点のコレクションを持つ。東南アジアで最大規模を誇りつつも、年間の訪問者はわずか20万人(2010年当時)。人気のショッピングモールが一日に3万人を集客するジャカルタにあって、インドネシア国立博物館は、その存在自体がまさに化石と化していた。
そんな置き去りの建物を、一夜限り、まったく別の空間として提示したのが、国立博物館の拡張設計コンペで優勝したインドネシアの建築事務所Abodayだ。この夜は、彼らの初めての出版物『FAME FORTUNE FLIRT』の発売記念イベントだった。
キュレーターズノート
福島県の文化財レスキュー
[2014年03月01日号(伊藤匡)]
東日本大震災から3年になるが、福島県ではいまも約14万人が避難生活を続けている。福島第一原発周辺には、住民のいない地域が広がり、貴重な文化財の多くが取り残されたままである。この文化財を救援する活動、いわゆる文化財レスキューについての現状を紹介する。
野村誠 老人ホームREMIX♯2 ドキュメンタリーオペラ『復興ダンゴ』、砂連尾理 独演会『家から生まれたダンス』
[2014年03月01日号(能勢陽子)]
公演は、音楽家の野村誠が15年前から通っているという老人ホームでのインタビューと老人たちとの共同演奏の映像・写真にあわせた野村のピアノ演奏(後半に砂連尾のダンスが加わる)、そして独演会といいつつ野村の演奏や身体も巻き込んだ砂連尾理のダンス公演の、二本立てだった。