2022年07月01日号
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2014年12月15日号のバックナンバー

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「複雑さを受け止めるためのデザイン」(「活動のデザイン展 THE FAB MIND Hints of the Future in a Shifting World」レビュー)

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[2014年12月15日号(ドミニク・チェン)]

 世界中の多様なデザイン活動をサンプリングしている本展は、いかに現代社会が複雑化の一途を辿り続けているかを証言している。地雷除去のためにデザインされた、廉価に作れて強風で地雷原を転がるマスード・ハッサーニ《マイン・カフォン》と、部屋をカメラオブスキュラにして六本木の風景をピンホール撮影したホンマタカシ《カメラ・オブスキュラ・スタディ ― 青山→六本木、建築で建築を撮る》、無名の女性が編んだ大量のセーターを並べたDNAシャロアー&クリスティン・メンデルツマ/ヴァンスファッペン 《ロースさんのセーター》が併置された空間を歩いていると、少し目眩を覚えた。子供の時分であればこの混乱の振幅に歓喜していただろうと思う一方で、キュレーションという視点から見たときには雑多さが目立って感じられた。
 とはいえ個別の作品やプロジェクトは興味深いものが多いので、ランダムなザッピング感覚でさまざまな新規なアイデアに触発されたいという向きにはとても刺激的な展示だと思う。皮肉なことだが、この意図されたランダムさもまた複雑化し、細分化されたこの現代社会を反映する状況だといえるだろう。筆者は会場に入ってから、無意識のうちに脳内でコンセプトを再構築して鑑賞していた。ここで、以下にあげたモジュールを「活動するデザイン」からかいま見える現代世界の複雑さを咀嚼するためのひとつのガイドとして提案してみたい。

キュレーターズノート

「広島が生んだデザイン界の巨匠──榮久庵憲司の世界展」、「生誕150年記念──竹内栖鳳」

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[2014年12月15日号(角奈緒子)]

 季節は師走。クリスマスや年末年始商戦で小売業が躍起になっているいまなどとくに、世の中にモノが溢れていることを再認識するとともに、なんとも言い難い不安な気持ちを覚える。モノに満ちた世界は色とりどりだし華やか、と言えば聞こえはよいが、とくに粗悪なモノを見かけると、人の営みに本当にこのようなモノが必要なのかと思わず疑念を抱かざるをえない。しかし、人が享受している、そのモノを次から次へと世に送り出しているのもまた人である。デザイナーである榮久庵憲司(と、彼が率いるGKデザイングループ)を紹介する展覧会は、モノと人との関係を考えさせられる機会となった。

トピックス

東京都庭園美術館リニューアル・レビュー

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[2014年12月15日号(横手義洋)]

 2014年11月22日、東京都庭園美術館がリニューアルオープンした。本館は前身である朝香宮邸になるべく忠実な復原や修復を果たし、新館は杉本博司監修により21世紀にふさわしい美術館建築として建て替えられた。結果として、戦前のアール・デコ邸宅のインテリアにますます磨きをかけた本館、美術館機能強化のために現代的な空間を出現させた新館、これまで以上に新旧施設のコントラストが強調された格好だ。

シンポジウム「来たるべきアート・アーカイブ 大学と美術館の役割」 レポート:どこへどのように向かうのか? 芸術作品の資料の行方

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[2014年12月15日号(影山幸一)]

 2014年11月24日、東京・六本木の国立新美術館で、京都市立芸術大学芸術資源研究センター主催のシンポジウム「来たるべきアート・アーカイブ 大学と美術館の役割」が開催された。芸術家を目指す学生の多い芸術大学が、「創造のためのアーカイブ」を育む調査・研究機関として、今年4月に芸術資源研究センターを発足。東京でのお披露目を兼ね、アーカイブの芸術教育への活用や社会への還元方法の確立に向けて、アート・アーカイブの意義と役割について考察した。大学と美術館が果たす役割とは何か、組織の年史をアーカイブする大学アーカイブズとの違いはあるのか、アート・アーカイブとは何かなど、関心をもって参加した。

アート・アーカイブ探求

林 十江《鰻図》本質をとらえた“うぶな筆”──「藤 和博」

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[2014年12月15日号(影山幸一)]

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