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MORI channel|水戸芸術館現代美術センター学芸員・森司によるブログ。学芸員の日常や最新のアートニュースを伝えます。
2004.9.11

9月11日 ミトホーモン

昨日、後輩から「森さんの夏休み長いね。宿題また、たまっちゃうよ!」と、展覧会を見に来る報告メールに添えてあった。「あちゃ」。夏休みはとっくに終えた。真面目に日々、もそもそとちゃんと働いている(気分ではいる)。更新しないと!!!

僕の仕事は「現場」と「準備」に大別できる。本番直前の物や人が動いたりする「現場」に突入すると、100%その日と明日くらい、長くて7DAYSくらいのショートレンジの時間の組み立てを意識しながら働くことになる。それはそれで現場の臨場感と緊張感があってとても好きだ。
可能な限りの準備を終えてからは、現場には現場の都合があるからそれに素直に反応しな
がら対応する瞬間も捨てがたく良い。目に見えて具体物になっていく時の、あのヒリヒリした感じが好きでアートプロジェクトをやっていると言っても良いぐらいなんだ(正に病みつき状態)。

その一方で、数年先の仕込みも同時にしている。僕としては1年ぐらい先のプロジェクトのために、1カ月から3カ月、まぁ100日くらい先の日程を埋めるような布陣の組み立てが、人からは見えないけど、かなり具体的な準備する時間として、個人的にはとても好きだ。

準備段階としてプロジェクトが完成するタイミングがある。けれど、準備から現場への以降時期は、神が舞い降りてきてすばらしいプロジェクトイメージが固まる、それを待って訪れてくれるものでもない。大抵は現場での作業量を予測して、Xdayから逆算することで自ずと見えてくる候補日が採取されて「その日」と決められていく。そのタイミングに合わせて、事を推移させる準備=マネジメントの醍醐味は、しびれるくらいに良くて癖になるからたちが悪い。

最近の僕は、当日の為の仕事と先のXdayに向けた仕込みというか準備の時間配分が3:7から2:8くらいの典型的な企画準備期間の仕事の仕方にある。

プロジェクトは足が速い。うかうかしているとあっという間に、企画している自分が追い越される。一旦抜かれたら最後、追いかけるとても忙しい(=時間貧乏)日常に飲み込まれてしまう。肝心なのは初動期のスタートダッシュ。プロジェクトの先にいる限りは大丈夫、ま、言うほどには簡単じゃないけれどね。

朝から、TAPスタッフのメールに書き込みをする。思わず長い手紙となった。みんな読んでくれるかな。11月13日から28日が会期だ。その意味では9月はひとつ目の山場。ここで時間を稼げる体制と準備をしておかないと、あっという間に、プロジェクトの波にほんろうされてしまう。

パラパラめくっていたら名和晃平と中村哲也の二人も出ていたので、水戸に向かう途中、キオスクで9月15日号のBRUTUSを買う。「カフェ・イン・水戸2004」の集荷に名和氏宅を訪ねた時、この後、『京都でBRUTUSのための冷蔵庫の撮影がある』と言っていたっけ。このことだったんだと一人合点しつつ、二人のプロフィールの中に「カフェ・イン・水戸2004」出品と会期等のお知らせが出ていて喜ぶ。これを見て一人でも多くの人が来てくれたら嬉しい。



ミトホーモンで訪ねた「ジェネレーションギャップ団地」。奧の背の高い新しいマンションはベランダを南向きに建てられているため、築の経つ手前の2層階のアパートと直行する。


午後からは「水戸空間診断」を編集したアトリエ・ワンの貝島桃代さんが、水戸を見て歩くワークショップ「ミトホーモン」を実施。約3.3キロ。14時スタート戻りは16時。知らざる水戸市内を堪能。

途中、広島市現代美術館で12月までの常設展のために「テツオ」を設営しに行っている椿昇さんから、久しぶりに組あがった「テツオ」(5メートル大の劣化ウラン弾処理ロボット)勇姿が携帯に届く。良いね。

Posted by 森司 at 23:20 | 雑記帳











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