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MORI channel|水戸芸術館現代美術センター学芸員・森司によるブログ。学芸員の日常や最新のアートニュースを伝えます。
2005.1.16

クンストハウス・グラーツ

CIMG5400web.jpg
メディア・コンペティションの募集のチラシ(画像の歪みはご愛敬とご勘弁下さい)。
募集作品は「3分間のクイックタイムムービー」。3月31日締め切りだって。


オーストリア第二の都市グラーツで開催が予定されている「日本の知覚」展(6月4日〜9月11日)に連動した作品の募集。「グラーツ アートプロジェクト/BIX・メディア・コンペティション」。
BIXとは、2003年秋にオープンした新美術館クンストハウス・グラーツの建物外壁面(曲面)BIXファサードに装着された横56個×縦24個の蛍光管が点滅(階調有)する電光スクリーンのこと。スケールで言えば横56メートル、縦24メートル。つまりとてもデカイ!(なんて陳腐な表現)。でも見るからにデカイ。『都市的スケールのランド・スケープアートに』とチラシのリードで謳いたくなる気持ちは良くわかる。ひどい作品ならぼーりょくになっちゃうから心して準備してくれ〜。燃えてくれ〜。とエントリー志願者の方々に、暢気にゆる〜くエールしつつ秀逸な表現に期待。


クンストハウス・グラーツの建物外壁面(曲面)BIXファサード(リンクで飛んだらArchitectureをクリック!)がいかにデカクて街並に対して奇妙で有機的に見えることか。ネットの映像でボクも見ただけだけど、それでいて道に面した一方のファサードは端正な面持ちで街に抗うこと無く溶け込んでいるようで、これまた凄い。この『舞い降りた宇宙船のような外観を持つ』(チラシのリード文から引用。僕は青ナメコを連想したけどね)建築物が、あのピーター・クック(1936年生まれ)がコリン・フルニエと共に初めて現実化させた建築。
そうなんだ。水戸芸術館で開催する「アーキグラム展」(1月22日〜3月27日)の為に、この20日(木曜日)に来水(水戸に来ることをこう書くのだよ)するピーター・クックの1/1の作品(つまり現実に建った)なのだ。
クリストもプロジェクトを実現させるのに数十年を要すけど、建築も大変だ。
そういえば、先週末のトークで青木淳さんも言っていた。建築で設計の道に進むことを決めることは「失業する」ことを決めるようなものだって。


さてさて、で「アーキグラム展」の開催に併せて1月23日に予定するシンポジウムは残念ながら完売で席がない。けど1月22日14時〜15時30分のオープニング関連企画としての「アーキグラムによるギャラリーガイド」(通訳付)なら展覧会チケットがあれば会場に入れて生のお話し聴講可能!なので是非おでかけください。と最後は水戸の宣伝で終わります。

Posted by 森司 at 23:31 | 雑記帳











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