artscape artscape TOP
MORI channel|水戸芸術館現代美術センター学芸員・森司によるブログ。学芸員の日常や最新のアートニュースを伝えます。
2005.1.15

美術・建築

午前中はアート、午後からは建築。
雪にはならなかったけど、雨の降る肌寒い一日だったが、予定どおり行動。
1)東京都現代美術館にて「愛と孤独、そして笑い」(1月15日〜3月21日)をみる。企画した笠原美智子学芸員の視点がビシット通った展覧会。自分としては予定していた時間をオーバーしてじっくり見る。フレームのしっかりした良い展覧会だと思う。
イチハラヒロコさんのコーナーにいったらご本人に遭遇。話を聞いていた活字を使った作品の前で「これだね!」と、しばし懇談。彼女の実家の生業が印刷屋さんで、42、3年間操業して店を閉じたそうで、それに1年365日をかけてでてくる1万6千個の「愛」と「笑」(つまり3万千個)の活字が山と積まれていた。輪転機の廻る音で目を覚ましていたイチハラヒロコの辞書には『孤独』の文字は、そりゃないだろうなと。得心。彼女にしては珍しく立体での作品。なんともかっこいい彫刻作品だこと。同時開催中の「榎倉康二」展を見て、急いで新川に向かう。
写真はそのパーツとなる「愛」と「笑」の活字。この作品のために新たに制作された。
CIMG5384web-2.jpg


2)シューゴアーツでの辰野登恵子の個展会場にはフレッシュで力強い魅力的な作品が並ぶ。DMになっていた作品にはすでに赤丸。さすが押さえる人(本気のコレクター)は初動が早い。


日本橋まで移動して、急いで昼食を食べて、横浜に向かう。
3)15日から18日までオープンハウスされるBankART Studio NYKの空間を見るためだ。
日本船舶歴史博物館までは直行するも、目的地の旧日本船舶倉庫、現BankART Studio NYKへのアプローチの入り口をみつけられず雨風の中を彷徨い発見。もう少し先までいって曲がれば良かったのだ。せっかちは損をするね。
オープン記念の「クリエイティブ・コア」によるシンポジムは盛況。
CIMG5364web.jpg


まさにあいにくの天気の中なのに大勢の聴衆。パネラーは北沢猛(都市デザイナー、東大大学院工学系研究科助教授、横浜市参与、京都府参与)、木下眞男(横浜市都市計画局長)、加藤種男(財団法人横浜市芸術文化振興財団専務理事、アサヒビール株式会社環境社会貢献部服理事)、川口良一(横浜市芸術文化都市創造事業本部長)
会場で久しぶりに村田真さんや福岡の宮本初音さんに会う。シンポジムはNYKギャラリーAを使っていたが、1階のNYKホールの空間はいい。BankARTの名称の由来とでも言うべき、馬車道の旧富士銀行のスペースが新設される東京芸大の映画のための大学院(北野武芸大教授就任とスポーツ紙でも話題になった)の校舎となるため、2年前まで日本郵船歴史資料館だった場所を代替スペースとして横浜市が用意したのだ。HPスタジオの池田さんらが施したリノベーション後の空間は、とても機能的な印象を与え、活動の可能性を予感させるものだった。良い場所がまた誕生した。


1階のNYホール
CIMG5361web.jpg


2階のNYKギャラリーから対岸の煉瓦倉庫を見たところ。
CIMG5366web.jpg


4)パーティーもそこそこに、急いで池袋に向かう。ジュンク堂での青木淳氏による出版記念トークショーを聞くためだ。時間ぎりぎりで会場に入ると満席。熱心な聴衆に青木さんの人気度を知る。終わった後、「原っぱと遊園地」を出版した王国社の山岸さんとの食事に混ぜてもらい懇談。

Posted by 森司 at 01:38 | 訪問記

この一覧は、次のエントリーを参照しています: 美術・建築

『テスト前にかぎって部屋の掃除がしたくなる。』 テストになると、いつもこのエピソードを思い出す。 正確に言うと、『世にも奇妙な物語』でやっていた『友子の場合』を思い出す。 ワタシの場合は特にお片づけがしたくなっちゃったりすることはないけれど、 ただ美... [続きを読む]
テスト 美術館 鉄子 from トウキョウ オンナ リクルート (仮)
トラックバック時刻: 2005年01月26日 17:24











*コメント掲載の可否は、編集部で検討させていただきます。あらかじめご了承ください。