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MORI channel|水戸芸術館現代美術センター学芸員・森司によるブログ。学芸員の日常や最新のアートニュースを伝えます。
2005.2.26

ズレのなかにあるもの

部屋の掃除をし、髪を切り、返事をもらったメールにまたレスをする。その中に藤浩志さんからの日程を伝えるものがあった。福岡の展覧を見に行くなら、彼が福岡に居るときが良いにきまってる。でも藤さんが忙しく飛び回っているのはブログを読んでいるので知っている。案の定3月中は日程があわないことが判明。それと僕のブログも読んでくれていること、そして彼が社長日記を読むほどに、ほりえもんをフォローしていることを知る。


夜のテレビ番組に生出演しているほりえもんを漫然とみる。
目の前でおきていることをどの様に理解すれば、整理がつくのかと絞り出されるコメンテーター諸氏の質問とコメントが空回りしている印象を受ける。その一方で、ネットで質問に回答する人々は、ほりえもんを理解し支持する数字が映し出される。そんな面白い映像が写っていた。そのやり取りを見ながら、かつて「新人類」なる言葉が流行ったことを思い出す。同じ風景でも走る速度が違うと異なって見える。そんな違いが同じ場所にいながら常に生じているのだろうな。疾走しているほりえもんとの間に。

しかし、ほりえもんは、いたずらに新しさを追うのではなく、今新しく形にできるリアルな部分、ゆえにビジネスになり、お金になるだろう場所を捜しているだけだと語る。
彼の価値観とこれまでの価値観の違いのぶつかり合い、そのものの結末がどうなるのかにはさほど興味はない。
しかし、どうであれ、彼の行動が、今、何かを動かしている。その何かが「何」であるのかを見てみたい衝動は大きい。早晩見えてくるズレ、あぶり出された新しい価値感と古い価値観の乖離をどの様に、世のコメンテーター諸氏が引受けて言語化するのか。感覚で受け入れている人に対し、テレビを通じてどのような言葉により解説するのだろう。


確かに言葉を得ることにより、見えてくる世界があるが、多くの場合、その世界が現実になり知られるようになってから、その世界を語る言葉は、真実を語る言葉と理解される。
早すぎる言葉や行動は、警戒される。ま、それ自体悪いこととはおもわないけど、ヒステリックになることもないと思える。次元がぜんぜん違うけど、野茂英雄が単身大リーグに挑戦したときの冷ややかな反応とその後の熱狂的な報道ぶりを思い出す。なんだかワクワクするチャレンジをすることが悪いことしてるみたいだった。でも悪役から英雄へもはやかった。安定した現状を維持することが秩序であり、成功の秘訣と思わされているのかもね。でも「安心」も好きだ。


それはそうと、アーティストである藤さんの今の展覧会タイトルがいい。「違和感を飛び超える術」。藤さんが見ている地平・探っている場所は広い。それでいて、アートとして見なければ、日常的にふつうに(本当はそうじゃないんだけど)あるような振る舞いの光景に写ることだろう。でもそれは、日常を纏った藤流の擬態でARTなんだけどね。
藤さんは、実は作家として革新的に新しい愛すべき仕事を展開している一人なんだ。

Posted by 森司 at 03:10 | 雑記帳

あつ!、僕のことが話題になっている! 堀江さんへの興味はその行動の不確定さや曖昧さにあります。将来の明確なビジョンがあって行動するというよりもまさに周辺の違和感の中から行動が発していて、しかもそのつど、現場現場でころころ立場を変えながら対応し、かたちづくっていっているところ。彼の行動はその周囲に様々な問題を露呈しつつ右往左往しているように見えるところ。僕は妙に共感してしまうんですね。様々な意識はそのようなところから発生し、彼の不完全さが周りを動かしているような風に感じています。これまでのメディアと今後のメディアがどのように変わるかなんてのは彼の意思で変わるわけではなく、もちろんライブドアの意思で変わるのではなく、いろんな新しい関係性の中からしかビジョンは生まれてこない・・・と思うのですが。うーん、僕は面白い状況だと思っていますね。で、堀江社長は中坊公平に継ぐ優秀なパフォーマーだと思いますね。

そういえば、僕ら「新人類」と呼ばれた第一世代でしたね。大学時代先輩からよくいじめられたのを思い出します。今もやっぱり上の世代の人たちとぶつかることが多いけど。

話は変わるけど、森さん最近相当まめに書き込んでいますね。今年になってからは毎日欠かさずすごい!森さんや堀江さんや小暮さんのマメな報告を眺めつつ、僕もがんばろうかなと最近がんばるようにしています。しかし、これやってから本当にスキマの時間がますますなくなりましたね。

Posted by fuji, hiroshi at 2005年2月28日 14:38











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