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MORI channel|水戸芸術館現代美術センター学芸員・森司によるブログ。学芸員の日常や最新のアートニュースを伝えます。
2005.3. 1

スタイル考、ほか

○今日の1枚
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朝、お豆腐屋さんでできたてホヤホヤの豆乳を買い、事務所で飲んでいる。1本140円。飲み忘れて置いておくと豆腐状になるほど濃い。今日もゴクゴク。200CCぐらいあるのかな。


○朝起きたときから「スタイル」の4文字が頭の中を巡っている。WEBで閲覧するように伝説のキュレーター、ハロルド・ゼーマン氏の足跡を読み、プロフィールを眺め、「現場」で「現場」を学びながらキュレーターとしての展覧会手法=スタイルを獲得していった軌跡を感じて昨夜床についたせいか、久方ぶりにタームとしての「スタイル」を考えている。


「スタイル」。この言葉を強い印象をもって数ヶ月前のテレビ番組で聞いた。声の主は、デザイナー深澤直人氏。彼を追いかけるドキュメント番組中でのセリフだった。「アメリカに渡り、なんでもデザイン出来る自分になったときに、改めて『自分のスタイルは何だ』と思うようになり、それを考えた」(うろ覚えだから、全く違った言葉で話していたかもしれないけれど、意味的にはこのようなことを確か口にしていたはず)。


僕がここで言う「スタイル」とは、個別の外観や形状のことではない。個別の外観や形状を与え、生み出す前段、その前提となる考え方・世界認識と、その人独自の方程式や思考回路といった見えざる漠としたものだ。でも雰囲気よりも確かにそこに、触れることができるほどに鮮明にそこにある。だけどもその人だけのものとして存在するものだ。


今や深澤直人氏には秘密の方程式(オリジナルな思考回路なんだろうけど)があって、そこに情報をいれると、大きなものから小さなものまで、あるべき解=イメージがポンと出てくるような印象を与える。そんな気がしたから8月の日比野克彦展で、「日比野克彦の読み解」をお願いした。4月のミラノ・ローネの準備のために「向こうにいる間に、考えてくる」の言葉にワクワクし、それを聞く打ち合わせの日程が近づいていることもあったのだろう。


一流人はスタイルをもつ。いや、独自のスタイルをもつことで一流人なりの力のある仕事を継続に展開できるのだとおもう。
8月に開催する日比野展「一人万博」において、「万博」のパートではスタイルを持つ人=実力のある人=なにをどう出してくるのか分からないけど確実になにかをだしてくれるだろうと期待できる人達に関わってもらい、スタイル×スタイルの万博的祝祭が立ち現れることを期待し、それぞれのジャンルの一流人にお願いしはじめている。「万博」をそのような方向性でイメージすることでの魅力と可能性に僕も日比野さんも気づきはじめ、今、その整備=依頼をしている最中なのだ。


「万博」は動でありチームとすれば、もう一方の「一人」は静であり日比野さんのことだ。そこで、あえて『二代目・日比野克彦・襲名披露展』なる仕立てをイメージし、現時点の仕事を発表する。それに対し「初代」の手がけた1980年代の伝説となっている”段ボール作品”をモニュメントとして並列に展示する。そんな「初代・日比野VS二代目・日比野」の火花散る会場のイメージを僕は思い描いてしまい、かなり今気に入っている。これも20歳台の日比野と40歳台の日比野の「スタイル」の競演の祝祭だ。


このように、8月の「EXPO HIBINO」展には多くのすばらしい「スタイル」の持ち主の参画を願い、豪華な祝祭として展開することで、大切な何かを伝えることができたらすばらしいと思っている。そんな現場を組み上げて素敵にマネジメントする自分をイメージしながら、「現場」のまっただ中にいる。


ネットTAMが更新されて「リレーコラム」に熊倉さんが管理者指定制度について寄稿している。


TAP(取手アートプロジェクトのTAPフォーラムVol.2「アートがまちにできること」(3月20日13:00から16:10)のチラシが届く。TAPではTAP塾生2期2005年生の募集を始めた。

Posted by 森司 at 02:41 | 雑記帳

森さん ブログ読んでいると、何だかご無沙汰している気がしませんが、お元気ですか? 写真いいですね。ネットTAMみてくださってありがとうございます。 

Posted by わか at 2005年3月 5日 20:23











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