没後60年を記念して、当館では50年ぶりとなる辻愛造の回顧展を開催いたします。辻愛造(つじ あいぞう 1895〜1964)は大阪に生まれ、赤松麟作の主宰する画塾で洋画を学びました。その後、1934(昭和9)年に国画会会員となり、亡くなるまで国展に出品を続けました。
 1928(昭和3)年香櫨園洋画研究所を創立して、現在の西宮市大谷記念美術館のある場所のごく近くに居住するなど、西宮とも縁の深い画家です。
 当館では開館して間のない1973(昭和48)年に「辻愛造回顧展」を開催、また1992(平成4)年には作品の購入、受贈を記念して辻愛造を取り上げる常設展示を行っています。その後も当館の様々な企画展の中で作品を紹介してきましたが、このたびは4つの章で辻愛造の全体像を探ります。