日本画壇を代表する画家で文化勲章受章者の平山郁夫(1930-2009)は、今年没後15年を迎えます。広島県に生まれた平山は、戦争や被爆の体験をきっかけに平和への祈りを制作に込め、仏教伝来やシルクロードを生涯のテーマとして描き続けました。また、失われゆく世界中の貴重な文化遺産を守るため、世界文化財赤十字構想を提唱し、中国やアフガニスタンなど各地の文化財保護活動に尽力しました。
本展では、平山をはじめ彫刻家の佐藤忠良、陶芸家の樂直入を中心としたコレクションで知られる滋賀県の佐川美術館の所蔵作品から、平山が悠久の歴史に彩られたシルクロードを主題に描いた作品89点を紹介します。ヨーロッパ・西アジアから、中央・南アジア、西域、中国、そしてシルクロードの終着点・日本まで、平山が150回以上もの旅をしながら描いた作品の数々、平山芸術の精華をお楽しみください。