当館が所在する栃木県小山市は、交通の便がよく住宅地や工業団地も整備されていながら、郊外には豊かな田園が広がり古くから農業が盛んな、都市と自然が調和するまちです。
農業は、大地の恵みと人間の命をつなぐ大切な営みであることは改めていうまでもありませんが、また同様に美術も、人の営みに欠くことのできないものといえます。日本でも古今に関わらず、農耕をする人や農村の風景をモチーフにした様々な美術が創られてきました。
本展覧会は、大地の恩恵をうけて生きている現代人が、先人から受け継いだこの環境を将来につないでいくために、大切にしてきたものや今後も守りつづけたいものを、美術を通してふり返り考える機会を提案するものです。農業とともに生きる昭和20~40年代の日本人のリアルをとらえた木村伊兵衛の写真、栃木の豊かな自然にいだかれた農村を描いた石川寒巌の絵画、小山市間々田地区で五穀豊穣や悪疫退散を祈願して行われてきた「間々田のじゃがまいた」をテーマとした秋山佳奈子、谷中美佳子の絵画など、美術家たちが独自の視座で向き合い、表現を探究した作品34点をご覧ください。

出品作家:木村 伊兵衛、石川 寒巌、清水 登之、小口 一郎、塚原 哲夫、大道 あや、秋山 佳奈子、谷中 美佳子