田上菊舎(たがみ・きくしゃ 1753~1826)は江戸後期の俳人で、書画、茶の湯、弾琴と諸芸に通じ、各地を行脚して広くその名を知られた下関の先賢のひとりです。北は松島から南は阿蘇や長崎まで、40年余りにわたり旅した距離は2万2千キロにおよび、江戸時代で最も旅した女性と言われています。晩年の菊舎は、家族が住む長府に落ち着き、亡くなるまで創作活動に励みました。
下関市立美術館と下関市立歴史博物館の共同で開催する本企画展では、市内の個人所蔵家のコレクションを通じて、旅をこよなく愛し、探求心の赴くままに学び続けた菊舎の魅力を紹介します。