風を動力源としてオランダの砂浜を歩く「ストランドビースト」。オランダ語で砂浜を意味する「ストランド」と「ビースト(生命体)」を合わせて名付けられた造形作品です。オランダの造形作家、テオ・ヤンセン(1948~ )によって、故国の海面上昇問題を解決できないかという発想をもとに生み出されました。ストランドビーストは、プラスチックのチューブを骨格の主な構成材料とし、歩行するだけでなく方向転換などの機能を備え、様々な環境に適応するべく進化を続けています。物理工学を基盤としたビーストの動きは滑らかで、まるで生きもののようです。
科学と芸術を融合させ、「現代のレオナルド・ダ・ヴィンチ」とも称されるテオ・ヤンセンの近作までのビースト14体と、その発想の過程やビーストの進化を、映像、スケッチ、試作品などの資料とともに紹介します。ヤンセンの作り出す迫力に満ちた世界をお楽しみください。