染色家、芹沢銈介の仕事の中でも最もよく知られたものの一つが「型染カレンダー」です。戦争直後の1945(昭和20)年、空襲で焼け出された芹沢は、寄寓先の日本民藝館で和紙に型染をした「型染カレンダー」の制作を始めました。1946(昭和21)年のカレンダーは100部ほどでしたが、ほどなく人気が高まり、やがて国内外に1万セット(12万枚)を頒布するほどになりました。あふれんばかりの模様とアイデアが盛り込まれた型染カレンダーは、1984(昭和59)年まで39年間にわたって制作が続けられました。芹沢の没後も復刻版が継続され、今年(2024年)のカレンダーまで79年間も途切れることなく多くの人々に愛され続けてきました。その歩みと魅力を、約20年分240点のカレンダーを通して振り返ります。