旅行で、ぜひとも参考にしたい観光ガイドブック。江戸時代にも、名所、名物、名店などを紹介する、現代の観光ガイドブックさながらの地誌絵本が販売されていました。
歌川広重による『絵本江戸土産』もその一つで、江戸の名所風景にその場所の紹介文が添えられています。書名の通り、江戸の土産物としても大変人気がありました。広重は本書の作画に際して、定番の観光地から今まであまり浮世絵に描かれてこなかった場所まで幅広く取り上げました。また、本書は最晩年の代表作「名所江戸百景」の下絵になったとも考えられています。
本展では『絵本江戸土産』と、「名所江戸百景」を中心とした名所絵を展示いたします。『絵本江戸土産』を読み解きながら江戸の観光スポットをご紹介すると共に、当時の人々の文化や営みに触れていきます。