この度、16年にわたり茨城県水戸市を拠点に活動を続ける現代美術家・矢口かつ信による前衛表現実験場祭後ノ興行「青天井桟敷」をワシントン跡地にて開催します。
2008年秋、矢口は座敷童子が棲むと言われる空き家を舞台に「小料理喫茶ワシントン」を開店し、ワシントン祭りの開催や和心団新聞の発行など地域住民との協働を通じて様々な社会実践活動を行ってきました。
2013年にはワシントン建屋を自ら解体し、オルタナティブスペース「ワシントン跡地」を誕生させ野外空間で実験的な演劇や映像上映など行うことで、日常における芸術表現の可能性の拡張に挑んできました。
本興行では、16年間に及ぶブリコラージュ的な行為の繰り返しによって構築された舞台空間で初の即興パフォーマンス作品を上演すると共にこれまでの活動の軌跡を記録した映像作品の上映、さらに新作の彫刻やドローイング作品、パリ・フォト(2017年)やリステ・アートフェアバーゼル(2018年)で発表された国内未発表作品の展覧といった三部構成により様々な角度から鑑賞していただける内容となっています。
会期を通して、会場の空間は有機的に日々変化し続け、表情豊かな一期一会の風景を魅せてくれることと存じます。野性的でウィットに富んだ矢口かつ信の芸術活動の現在地「青天井桟敷」をぜひこの機会にご体験ください。