『機動戦士ガンダム』のキャラクターデザイナー兼アニメーションディレクターであり、漫画家としても活躍する安彦良和の創作活動を展望する回顧展を開催します。北海道遠軽町に開拓民の3世として生まれ、大学では学生運動に参加し、その後上京してアニメ制作に加わり、漫画家に転身する激動の半生を振り返るものです。アニメや漫画など、特定のジャンルに注目した安彦氏の個展はこれまでにも開催されてきましたが、本展は少年期、青年期の歩みも振り返りながら、多彩な分野の作品のすべてを取り上げ、そこに共通するテーマに迫るものであり、その意味では世界初の試みです。
また、安彦良和のライフワークとも言うべき日本の古代史、近代史を取材した漫画作品は、緻密な時代考証の上に豊かなイマジネーションを加えた魅力溢れる創作劇(フィクション)です。歴史そのものがもっている魅力と、安彦良和という表現者のイマジネーションの魅力の双方を味わうことのできる機会ともなるでしょう。なお、2024年は『機動戦士ガンダム』放映45周年、安彦良和氏が喜寿(77歳)を迎えるメモリアルイヤーです。[美術館サイトより]