人形の愛らしさは、時空を超えた普遍的なものでしょう。表情や指先まで神経を使って制作された陶人形は、日本に限らず海外でも人々の心を豊かにしてきました。陶磁器は変質しにくく彩色も色褪せないため、人形たちには永遠の命が与えられます。特に、「ノベルティ」とも呼ばれる瀬戸焼の人形はロココ風の優雅な西洋人形を始めとし、人物をかたどったボトルのほか、アール・デコ調でフランスの香り漂うルイ・イカールの絵画や、アメリカの心を描いたノーマン・ロックウェルのイラストを立体化したものなど、数多くが海外へ輸出されました。
 本企画展では戦後の輸出品を中心に、変わることのない陶人形の魅力をお楽しみいただきます。