古代ローマ時代から存在したといわれるポスターは、時代を経て印刷技術の進歩とともに急速な発展を遂げていきました。広告媒体であるポスターに、新たな表現の可能性を見いだした芸術家たちは、互いに競い合うように、観る人の印象に残る想像力に満ちた作品を創り出しました。19世紀後半のパリでは、シェレやロートレック、ミュシャらが人気ポスター画家として活躍します。パリの外壁は様々なポスターで彩られ、自由で新しい表現は興隆を極めました。それは、ポスターが単なる商業用告知物にとどまらず、新たな芸術様式となる幕開けでもありました。20世紀になると、ピカソ、マティス、シャガール、ミロなどの巨匠たちが、自身の個展の宣伝やイベントの告知のためにオリジナルのポスターを制作しました。
本展では、ポスター芸術の確立とその後の展開を、約160点の作品でたどります。色鮮やかで心躍るポスターたちの競演をお楽しみください。