HAGIWARA PROJECTSでは、9月21日(土)より今井俊介の個展「fields」を開催いたします。今井は2022年に丸亀市猪熊源一郎現代美術館、2023年には東京オペラシティアートギャラリーで大規模な個展を開催し、注目を集めました。これらの展覧会では、彼の特徴である波打つストライプと鮮やかな色彩が、作品同士響き合いながら空間に広がる、開放感あふれる展示が展開されました。

今回の個展は、弊画廊で4年ぶりとなります。本展では、大胆にトリミングされた色面を描いた新作の絵画と、レーザーカッターで切り取った紙を組み合わせたドローイング作品を展示いたします。「fields」というタイトルには、色彩で切り取られた風景を想起させる意図とともに、アメリカの抽象絵画「カラーフィールド」への言及も含まれています。今井は、建物の一部など現実的な要素を描いたエルズワース・ケリーのアプローチを、現代の日本に住む個人という立場から再考し、東京の街の光やファストファッション店の色彩の要素を取り入れながら、現代社会に溢れる情報やイメージに対して、絵画という形で応答しようと試みています。

さらに、今井の作品は、色彩の組み合わせが生み出す図と地のせめぎ合いを通して、人間の無意識的な「見る」という行為を喚起します。今井の作品は、視覚表現の本質に立ち返り、私たちがどのように物事を「見る」か、何を選びとっているかを意識する重要性を強く訴えかけています。


今井俊介(いまい しゅんすけ)
1978 年 福井県生まれ、東京都在住。2004 年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。主な個展に、「スカートと⾵景」東京オペラシティアートギャラリー(2023, 東京)、「スカートと⾵景」丸⻲市猪熊弦⼀郎現代美術館(2022, 香川)、「range finder」Kunstverein Grafschaft Bentheim (2019, Neuenhaus, ドイツ)、「第8回 shiseido art egg今井俊介 “range finder”」資生堂ギャラリー(2014, 東京)など。主なグループ展に「⽇本現代美術私観:⾼橋⿓太郎コレクション」東京都現代美術館 (2024,東京)、「いろ・いろいろ。 ⾊と作品の世界。」福井県⽴美術館(2021, 福井)、「MOTコレクション ただいま/はじめまして」東京都現代美術館 (2019, 東京)、「Reborn - 未来を発明 コレクション x 現代作家」福井県立美術館 (2019, 福井)、「絵画の現在」府中市美術館(2018,東京)、「オープンシアター KAAT 突然ミュージアム 2016」KAAT神奈川芸術劇場(2016, 神奈川)、「となりの人びと -現代美術in春日井」春日井文化フォーラム (2016, 愛知)、「VOCA展2015 現代美術の展望-新しい平面の作家たち」上野の森美術館 (2015, 東京)、「絵画の在りか」東京オペラシティアートギャラリー(2014, 東京)など。