高瀬は、自身の日常生活で起こり得る対人関係や、心理的な変化をテーマにしながら動物をモチーフにイメージを見立てながら自分史を表現します。

タイトルにも使われる「くちぶえ」は、高瀬の中で上手く吹けた音に対して、失敗したときの音は、不器用な生き方のようだと連想しています。本展は、誰しもが体験したであろう、「どうしようもない不安」から生まれる原因を高瀬が描く絵画作品を通して探求します。

また、今回は一部の絵画をモチーフに陶芸作品としても展開しています。絵画のプロセスとは異なる、土を練り、形を構成する彫刻的なニュアンスを含んだ陶芸作品は、作品のイメージをさらに拡大させます。

本展を通して、高瀬が思い描く「どうしようもない不安」の形を捉え、私達が暮らすこの日常に潜んでいる不安の原因を探れる機会となるでしょう。