堀内誠一(1932-87年)は、若い頃よりデザイナーとして研鑽を積み、時代をリードするアートディレクターとして活躍しました。雑誌『anan』、『BRUTUS』、『POPEYE』などのロゴや本の装丁、ポスターのデザインなど多彩な仕事を展開しました。その一方で、1958(昭和33)年に初めての絵本「くろうまブランキー」を世に出します。その後も「ぐるんぱのようちえん」や「たろうのおでかけ」「こすずめのぼうけん」など数多くの人気絵本を生み出しました。「絵本作家の道こそ運命が決めた本命」と本人が語ったように、その54年の人生は、絵を描くことと共にありました。
本展は、少年時代に画家になる夢を抱きながら描いた絵画作品を出発点に、絵本の原画、デザインにおける作画、雑誌のためのカットなど、堀内の創作の原点ともいえる「描くこと」を通して、画業の全般を紹介する回顧展です。