書画をかくために中国で作られた紙を画仙紙といい、さまざまな大きさのものがあります。日本に画仙紙が伝えられると、そのうちの小画仙の大きさを全紙、全紙を縦に半分に切った大きさを半切と呼ぶようになりました。半切はおよそ135×35センチメートルになります。  
 半切の作品を掛け軸にしたものを条幅といいます。かつては多くの家庭で床の間には条幅が、欄間には半切横の額が飾られていて、それらの作品は生活のなかに浸透していました。洋間が中心になり、床の間も無い家が多くなった現在、半切の書画作品が飾られる機会は以前よりずいぶん少なくはなりました。また、大きな展覧会場では、より大きな作品が求められるようになってきました。しかし、半切が書画作品の基本であることは現在も変わりません。
 今回は館蔵品のなかから半切作品のみを選んでみました。定められた形の紙の中で、書家たちがどのようにして作品をまとめる工夫をしたのか、美しい書を表現するためにいかに心血を注いだのかを注意深く鑑賞していただければ幸いです。