幕末維新期を代表する土佐の絵師、河田小龍の生誕200年を記念して、小龍を中心に幕末から明治前期にかけての激動の時代を振り返る展覧会を、高知県文化財団に所属する3つのミュージアム(高知県立坂本龍馬記念館、高知県立歴史民俗資料館、高知県立美術館)で開催します。坂本龍馬、歴史民俗、美術の3つの専門性を持つミュージアムが、それぞれの特性を生かして連携し、激動期をマルチな才能をもって生き抜いた小龍の多様な活躍を紹介するまたとない機会です。
美術的視点から見ると、小龍は同時代の土佐の画人の中でも特に優れた画力の持ち主でした。その技術を支えていたのが鋭い観察眼と尽きない好奇心です。狩野派、南画、円山派、浮世絵、仏画など、目にしたあらゆる流派の絵画様式を吸収し、多彩な画業を展開しました。同時に幕末から近代にかけての激動期を目撃し、移り行く時代の有様を絵図や大量のスケッチとして残しています。美術館では「激動期への眼差し」をテーマに、これら絵画作品や資料を通して小龍の「眼差し」を追いながら、その画業の全貌を俯瞰します。[美術館サイトより]