武家にとって至上の宝であった名刀。武器として優れているだけでなく、戦乱の世に複数の天下人が所有した、あるいは喜ばしい人生の節目の贈り物になったなど、時代を経るごとに数々の輝かしい来歴が加わることにより、名刀の価値は一層高められていきました。こうして何百年もの間、多くの名刀が人の手から手へと受け継がれ、その格式にふさわしく仕立てられた華麗な刀装とともに現代まで守り伝えられています。
本展覧会では徳川美術館所蔵の刀剣・刀装を軸として、作品にまつわる様々な物語に注目しながら、名高い武将や大名ゆかりの名刀、また華々しい刀装を展示します。開館90周年を記念するに相応しく、国宝・重要文化財や名物を取り揃えた大規模な展覧会です。時代を超えてなお魅力の尽きない刀剣・刀装の奥深い世界を、歴史的背景と、作品そのものの美しさの両側面から紹介します。

【本作長義(本歌)と山姥切国広(写し)の同時公開企画「伯仲燦然/はくちゅうさんぜん」開催決定】
2025.6.14 (土) ~ 7.27(日) 
「本作長義」と「山姥切国広」は、本歌(本作長義)と写し(山姥切国広)双方が今日まで現存しつつ、ともに伯仲の出来として重要文化財に指定されている唯一の例ですが、並べて公開される機会はこれまで殆どありませんでした。今回、足利市と合同で実施する企画「伯仲燦然」は、2振それぞれのすばらしさを比較して実感できる、名古屋では史上初の機会です。 展覧会会期中、前期日程にて開催いたします。