40歳を前に絵筆をとり、日々、精神を込めて画を描いた実篤。筆と墨を使って一発勝負で描く淡彩画と異なり、油彩画では、幾度も絵の具を重ね、自分が感じた美しさをキャンバスに表そうと、真剣に向き合った姿勢を絵から感じることができます。自ら「最初の油エ」と書き添えた「南瓜」(1927年)から89歳で描いた最後の油彩画「蔬菜図」(1974年)まで、実篤の油彩画を一挙に展覧するとともに、実篤が綴った描画への思いを紹介します。