昭和30年代から40年代(1955年頃から1974年頃)にかけて、独特の野菜や花の絵に「仲よき事は美しき哉」といった言葉を添えた実篤の書画が、様々なものに写し取られて身の回りにあふれていた時代がありました。食器や風呂敷をはじめとした身近な日用品にも絵柄が用いられ、これらのグッズによって実篤を見覚えた人も多かったのです。当館で所蔵する、商品化された実篤作品を中心に紹介しながら、時代が実篤の書画に求めたものを探ります。