宮城、東京、兵庫、鳥取などを拠点に活動する現代美術家・久保田沙耶の個展を開催いたします。本展「すきまのあるじ(Hosting the In-between)」は、Yu Harada(曙橋)での久保田沙耶展「もぬけの城」から1年ぶりの都内での個展になります。
1年前、彼女は小さな砂浜を見つけ、岩礁の窟の中にひっそり住んでいる貝、引き潮の時に少しだけ海水が残ったところを棲家にしているヤドカリに出会います。寝そべって砂に埋もれ丸一日でも過ごすことができた砂浜に魅了されていきます。家の間の隙間に住んでるカタツムリ、メスのために一生懸命隙間に美しい巣をつくるオスドリ、岩の裏にはりついたたくさんのフジツボ、そういう名もなき子たちの目線を借りて、やわらかい砂を隙間に埋めてあげるような、手からこぼれ落ちる悲しさをもやさしさに変え、作品へと導きます。iwao galleryの浜辺に辿り着いた作品たちが鑑賞者をいざなうことでしょう。

<ギャラリートークと朗読会>
管啓次郎(詩人・比較文学研究者)×久保田沙耶
11.22(金)19:00ー20:30 定員20名(無料、要予約)

◉久保田沙耶 [Saya Kubota]
1987年茨城生まれ。東京、鳥取、宮城、兵庫などを拠点に活動。筑波大学芸術専門学群卒業。東京藝術大学大学院美術研究科修了後、同博士号取得。日々の何気ない光景や人との出会いによって生まれる記憶と言葉、それらを組み合わせることで生まれる新しいイメージやかたちを中心に、平面や立体作品、さらには独自の装置を用いたインスタレーションなど、様々なメディアを駆使しながら制作を続ける。主な個展に「material witness」(2016 大和日英基金)、主なプロジェクトに「漂流郵便局」(2013 瀬戸内国際芸術祭)など。