今年度第3期と第4期の特集では、2011(平成23)年3月の東日本大震災で被災した陸前高田市立博物館の美術作品のうち、修復の完了した絵画、版画、イラストを展示します。
震災直後の文化財レスキュー活動により救出された同館の美術作品は、盛岡市内で汚泥やカビを除去する応急処置が施された後、現地での受け入れ体制が整うまで、当館で保管することとなりました。その後、2013(平成25)年から2022(令和4)年にかけて、専門家たちによる修復作業が順に進められ、修復の完了した作品のうち書や鋳金作品は博物館に返還。絵画や版画の多くは引き続き当館で保管しています。
当館では、2012(平成24)年度と2019(令和元)年度の特集で被災作品を展示し、レスキュー活動や修復作業の経過を報告しました。このたび、全ての作品が陸前高田へ返還される見通しとなり、今年度の特集展示は、当館コレクション展で作品をまとめてご紹介する最後の機会となります。第3期では15名の美術家による油彩画、水彩画、版画、イラストを、第4期では畠山三朗(はたけやま・さぶろう)、畠山孝一(はたけやま・こういち)、行木正義(なめき・まさよし)の大作を中心に展示します。
なお、当館コレクションを展示したコーナーでは、現在国内外で活躍中の美術家たちの中から、菅木志雄(すが・きしお)、小笠原卓雄(おがさわら・たくお)、長谷川誠(はせがわ・まこと)らの立体作品、ミゲル・アウジーリ、杉山功(すぎやま・いさお)による大理石彫刻、伊藤正(いとう・ただし)、泉田之也(いずみた・ゆきや)の陶芸をご覧いただきます。[美術館サイトより]
前期:10月26日(土)~12月01日(日)
後期:12月03日(火)~01月19日(日)